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海図ができるまで
海図の編集現場
2004年2月 海上保安庁海洋情報部にお邪魔した時に、海図の作成現場を見学させていただきました。
電子海図、紙海図の編集作業を行う部屋です。 写真中央下の大きな装置は、検証用のECDIS(東京計器 製です。)
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こちらでは、ベクトル化された海図のシンボルを校正しています。 ここで一つ一つの海図情報に間違いがないか慎重にチェックされます。 表示される時は一瞬ですが、このように手作業で手間のかかる作業です。
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こちらでは、紙海図の工程の一つです。 校正を終えた版下は、フィルムに出力されます。 フィルムの画像を感光材を塗った薄い金属板に投影して感光させます。 |
感光の終わった、海図の版です。 青いところは水をはじく性質になっているそうです。 ここでも、修正ペンで少々の修正は可能だそうです。 版は、色の数だけ作られます。 |
試刷室です。 ここで、海図の試し刷りが行われます。 紙質は、製品版の海図よりも薄い紙です。 先ほどの、水をはじく性質を使って最初に水を版に塗りつけ、その後インクを乗せると、水が付いていないところだけにインクが乗ります。 3回目に機械が、紙の上を通るとインクが紙の上に転写されます。 |
黒色1色だけ印刷された海図です。 紙質以外は、製品版の海図と同じで、同じ作業を色の数だけ行います。 ここで、最終チェックを終えて版を印刷業者へまわして大量に印刷されます。ここから先、印刷された海図は毎月手作業で改補され、エンドユーザーに届きます。 |
ここから先は、複製頒布者の仕事を紹介します。
ここは羽田にある、(財)日本水路協会 複製頒布者は、国から提供された原版を印刷業者に出し、大量印刷してストックしてあります。 このような棚が他にもたくさんあり、様々な海図が保管されれいます。
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この写真は、日本の海図の英語版を英国水路部(UKHO)が印刷したもので、全版の海図がみごとに二つ折になっています。 海図の耳(余白)のサイズも微妙にマチマチ・・・・。 配色も日本の海図と少し違います。 こちらの海図は、改補をしないそうで新版が送られてきたら処分されます。。 処分方法の一つに、ボートショーなどで販売されている、海図を使った紙袋があります。 |
ストックされているすべての海図は、この部屋で毎月発行される水路通報に合わせてすべて手作業で改補作業を行います。 毎日毎日・・・・ 終わることの無い作業 |
変更された部分が、広く複雑な場合には、変更場所の海図をシールで切り貼りします。 |
こちらは、新しく防波堤ができた港に防波堤を追加する作業です。ゴム印には、防波堤が彫りこまれています。治具の位置を海図の位置と合わせておいて、スタンプを落とすと正確に防波堤が追加されていきます。 |
こちらは、修正図の編集しています。 イラストレーターで、一番下のレイヤーに海図の版下、その上から変更のあった箇所の海図情報だけを抽出して編集しています。 この後、ゴム印にしたり、修正用のトレーシングペーパーに出力したり、修正用のシールに出力します。
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