今回のクルージングの目的
今回の目的地は、九州は大分県臼杵市とある漁港で、友人の実家があるところです。 ここは、今度で3回目友人の言葉に甘えて漁師さんの宴会に混ぜてもらい美味しい魚をご馳走になろうというあつかましい企画です。その他にも、臼杵といえばフグである。 今回も外せないというので、友人オススメの前回とは違う鮨店を予約する。
8月10日(日) オーナー、mクルー、私3人で航海前の点検や清掃、エンジンオイル交換 艇を草木造船所の桟橋に移動、陸電接続、冷蔵庫予冷、清水給水
8月11日(月) 食料品、日用雑貨類を搬入
8月9日(土) 牛窓港 feast2船内清掃、電子海図アップデート、計画ルートデータ転送を済ませる。
準備
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出港
8月12日(火) 食料品搬入
19:50 今回の参加メンバーの’I’オーナー、西田さん、奥山クルー、三宅クルー、Y工作員、そして私、武田の6名が揃う
天候は曇り、風はナシ
20:00 牛窓港草木造船桟橋をゆっくりと離れる。 雲間から満月が顔をだしている、明るい牛窓湾をスローで最初のWPへ舳先を向ける。
21:13 来島海峡東口までの最初のレグに艇を乗せる。
- オートパイロットON
- トラックモードON
- 速度 GS8.0kt
交代でワッチを2名残してお弁当で、夕食をとる。
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自動操舵のGPSルートトラックモードであらかじめ設定されたルートに沿って走ります。
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前回、電子海図ソフトの操作ミスとGPSの操作ミスが重なって陸地を横断するコースになっていたことを反省、ソフトの警報画面の説明と操作手順を説明する。
今回の航海では、ソフト側で抜本的な解決を図るために、ある機能を備えたプロトタイプのアルファマップ2を別個にインストールしているが、夜間航海中は実績のある従来のGPSとオートパイロットによるトラッキングモードで運転する。
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21:52 艇は、香川県直島の北から岡山県宇野港沖を通過して備讃瀬戸へ入る。
7月に無線局免許が下りて運用開始したVHFからは、ひっきりなしに本船と近くの備讃マーチス*1との交信が聞こえてくる。
位置通報義務の無いプレジャーボートが、緊急事態でもないのに、交信するのはどうかと思ったが、しばらく交信が途切れた後、備讃マーチスを16chで呼び出す。
指定されたチャンネルに切り換えて、岡山県牛窓港から大分県臼杵へ向かうプレジャーヨットであると告げて、現在位置を知らせる。 マーチスの管制官は、大変親切に近くの本船の状態を教えてくださり、まだレーダーに映っていないので、再度航路インする前に通報するよう指示を受ける。
*1マーチス MARITIME TRAFFIC INFORMATION SERVICE CENTER
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22:23 大槌島西方より備讃瀬戸東航路へ入る
VHFで備讃マーチスに現在位置を通報する。 レーダーエコーを確認したとの事で、この先の航路周辺の情報を入手、西行船舶が多いので注意するようにとの事。
8月13日
00:12 備讃瀬戸北航路を出る。 ここから、3人のワッチを残し交代で寝る。 電子海図を使った航海では、比較的経験の少ないクルーでもルートを正確に走ることが出来る上、その分見張りに専念できるのでワッチから外れた者は、安心して眠れる。
03:54 来島海峡航路 東口 北東2.5NM VHF16chにて来島マーチスを呼び出す、特に大型船の通航予定は無いとのこと、潮流が強いので圧流に注意して航路右に寄って通航するようにアドバイスを受け、オートパイロットを手動に切り換え、中水道へ艇を進める。
オートパイロットOFF
速度 GS9.0kt
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04:56 来島海峡航路 西口 無事通峡 GPSを次の大分県臼杵市までのレグにセットしてオートパイロットをトラックモードにセットする。 だんだん空が明るくなっ
オートパイロットON
トラックモードON
速度 GS9.0kt
08:?? 朝食を準備、トースト、サラダ、ゆで卵、ソーセージ、コーヒーor紅茶フルーツ(マスカット)
7:32 松山沖 釣島水道を通過 伊予灘に入る
順潮で艇速は9kt前後
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12:50 佐多岬の先端が見えるようになって頃、なにげに左舷方向に目をやるとなにやら水面に大きな影が複数見える…ん? 何?? よーく見るとなんと、イルカだ! それも尋常な数ではない、艇は一時コースを離れイルカ見物モードに入る。
群れの中で群れと同じ方向で走ると、バウにも両舷にも数頭ごとの群れがいくつも現れる、乗員全員がデジカメやらビデオやら携帯のカメラやら持ち出して写真撮りまくりです。しばらくイルカと遊んだ後、再びコース上に艇を戻す。
昼食は、素麺
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けっこうしつこく追いまわしてます; |
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速吸瀬戸航行中
正面は、高島 |
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14時過ぎ 私がおっぱい島と命名した臼杵湾の津久見島を視認する。
潮流の影響から外れたので、艇速は少し上がって風も使えるのでフルセイルで機帆走にして、とある漁港を目指す。
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15:15 予定より少し早めに臼杵市のある漁港に着岸する。 友人が波止まで出迎えに来てくれました。 |
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さっそく漁師さんの宴会の第二部に参加です。 美味しい鯵のお鮨やサバのお刺身、友人が港のすぐ横で釣った80cmの大鯛の刺身 美味しいお酒、漁師さんの色んな話しを聞きながら、すっかり酔ってしまいました。 |
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大鯛のアラは、潮汁にしようということで、友人と二人でアラを切り分けるが、これが大変! 背骨は親指より太く、頭などどうにもならない、大きな出刃包丁とバールを使ってお椀に入る大きさに切り分けると、特大の鍋に熱湯をわかして放り込む、アクをきれいにすくって、酒、塩、薄口醤油で味を調える、最後に青味を散らして出来上がり。 味にうるさい漁師さんの反応が気になる… |
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鯛が良いので、味を殺さないように塩を主に使って甘からず辛からず結構神経使ってできた潮汁のお味は? 「うまい!」 ホッ 良かった、少し酔っ払っていたのでどうかと思ったが、なかなかの出来で、うまかった〜 アラもゼラチン質が多くてトロっとして美味しい!
??:?? 宴会は終了、外は雨雨雨
??:?? 夜走りの疲れもあって全員就寝zzz 夜も雨雨雨…
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8月14日
07:00 朝も雨雨雨… 友人が、大きな黒メバル、サバ、サザエ、剣先イカを差し入れてくれた。 朝食は、ご飯、味噌汁(メバルとイカゲソ)、サバの煮付け、剣先イカの刺身漬物、かまぼこ、玉子焼き
せっかくの綺麗な海も山から出た水で濁っている。 しかも寒い
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11:15 友人に乗用車を借りて、臼杵市内へフグ料理を食べに行く
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今回のふぐ料理店は、鮨店で友人おすすめのお店、予算は料理1万円 飲み物税サ別で前回と同じです。 まずは、皮の肝和え、続いてお造り(当然肝付き)、アラの唐揚、鍋物、身と肝のお鮨、デザート 味は折り紙付きフグはコースで食べても不思議ともたれない。 夏は白子が無く、肝も小さいらしく寒くなると肝も大きくなって白子も入るので、やはりシーズンは冬のようですが、夏でも全然美味しいです! 臼杵で2軒目のふぐ料理店でしたが、感想はポン酢の味などお店それぞれの味があることに気づきました。(個人的には、前回までのお店の味が好き!) 当然今回もお店の判る写真はナシです。 お店の判る写真を公開して、そのお店が実際に保健所の摘発を受けたことが実際にあったそうです。 これからも、美味しいフグを食べたいので、お店情報は一切なしです。
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皮の肝あえ |
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造り 3人分 もちろん肝付いてます。 |
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ひれ酒 |
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一の井手 |
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から揚げ |
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肝と身を和え物の寿司 |
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肝と身を和え物の寿司 |
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要予約で、1万円〜です。この写真の料理は、1万円です。お店の情報はありません。 白子は冬のみ、それ以外のシーズンも十分満足できる味です。 本当にウマイ!
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車で、10分市内のスーパー銭湯へ
臼杵市内の小さなデパートでお土産タイム、レジのおねーさんにフグのことを聞くと肝は常識と即答されました。 (もう疑ってはいませんが、念のため…)
港に帰ると、友人の実家の皆さんがバーベキューをされていて合流、サザエの塩茹で(海水で)美味しいお肉、よく冷えたビール… もう喰え〜ん。
サザエってジャリってしませんか? あれは、サザエの口(歯)も一緒に食べるからで、食べる前に手か歯で貝柱のヒダの辺りつまみ出すとザラザラした細長いものが出てきます。 これを捨ててから食べるとジャリがありません。 近くのGSから軽油200Lを配達してもらい全部メインタンクへ給油
夕食はパスです。
雨は上がったようですが、曇りです。 港の公民館では深夜まで盆踊りでにぎわっていました。
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8月15日
曇り 北東の風 4〜5m
08:00 お世話になった港を出港、しかしすぐにエンジンルームより発煙、引き返す、煙は、ターボチャージャーのタービンの排気側と消音器をつなぐフランジ付近らしい。ターボチャージャーが冷えるのを待ってボルトの増し締めをして2時間後に出港、エンジンの出力を上げるとやはり煙が出るが、エンジンの性能には影響が無いと判断しばらく半分程度の出力で様子を見る。
10:00 予定より2時間遅れで出港
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まもなく煙はおさまり、原因はタービンのハウジング付近に付着したオイル分が蒸発したものだったようだ。
オートパイロットON
トラックモードON
速度 GS6.0kt
12:30 速水瀬戸(豊後水道)を通過 天気も回復、この航海で初めて青空となった。 佐田岬をかわしてからは、風は真向かいで潮も逆なので、艇速が出ない。
次の松山港まで特にすることも無いので、アルファマップ2のプロトタイプRev.1を試験してみる。
準備として、これまでGPS受信機からオートパイロットへ流れていたデータをアルファマップ2の動作しているPCのCOMポートから、オートパイロットへデータが流れるように配線を切り換える。 試験用にあらかじめ配線をしてあったので、切り換えはすぐに完了。
アルファマップ2のルート上の次WPを有効にしてルート航法に入る。
周囲の安全を確認の上、レイシオン社の自動操舵装置ST-4000+のAUTOモードに入れる。
再度、周囲の安全を確認して、TRACKボタンを押す
ST-4000+は、NEXT WP xxxxxx ddd°と変針舷と方位を表示しながら警報音を鳴らす。
OKならば、もう一度TRACKボタンを押すとトラッキングモードに入る。
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ST-4000+は、アルファマップ2が吐き出すNMEA0183のオートパイロットセンテンスを読み込んで、チャート上のルートを捉えることに成功した。 しばらく動作確認をして、異常ないので松山までこのまま走る。
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この分だと次の寄港先の松山港への着予定は20:00前後となってしまう。松山港は係留場所が確保できるか?あてが無かったので、明るいうちに入りたいが仕方ない。
15:30 四国電力 伊方原子力発電所沖を通過 原発警戒中の巡視艇を視認する。
松山港の状況が気になる。VHFで巡視艇を呼んで、松山港の情報があるか? 聞いてみる。 16chで呼び出し 後、少し経って’巡視船なち’から応答があり、松山港の事情に詳しくないので松山本部に問い合わせてみるので、16chで待機するように言われる。 しばらくして、保安部から直接電話するので、携帯電話番号を教えてほしいとのこと、恐縮しながら電話番号を伝える。
松山海上保安部から電話が入る。 市と県の港湾管理者の電話番号を教えてもらい。 電話してみる。 実は、以前にも電話したことがあったが大変冷たい対応だった。 三津浜港(内港)を管理する松山市は、管理者なのに岸壁の使用状況をまったく把握しておらず、すでに一杯でつけるところが無いと言う、県の方は比較的前向きな対応をしていただいたが、外港の岸壁は高くハシゴも無いので使えそうにない。
まぁ行けば、なんとかなるだろう。
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松山港手前3NMほどで日没
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8月16日
9:30 松山港着、電子海図を頼りに外港の灯台をまわって、内港へ艇を進める。 フェリー桟橋の少し奥の岸壁にとりあえず着けて近くの市場関係の会社の人に一晩とめても邪魔にならないか? と尋ねると明日は市場無いからエエよとのこと。 ラッキー! でも、ここ水深がちょい厳しい、しばらくは満ちなのでとりあえず、横付けのまま松山市内へお風呂と食事に出かける。
タクシー2000円ほどで駅前へ行けます。 駅前には、パチンコ店の経営するキスケの湯という温泉施設あり、広くてきれいな温泉です。 夕食は、中華屋さんでひさしぶりにこってり料理にビールを堪能する。
潮が高く岸壁を越えそうなので、一旦舫いを解いて、バウアンカーでスタン着けで取り直す。
22時就寝
06:00起床
ここで、’I’オーナーと西田さんが、同窓会の出席の為、一時下船
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07:00 Feast2は、オーナー抜きで、次の目的地の香川県仁尾マリーナへ向け出港
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臼杵で頂いた剣先イカを干物にする。
09:45 来島航路 西口着 つれ潮なので、中水道へ
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四阪島を通過したあたりで、プロペラーに漂流物を巻き込む。 機関停止潜ってみると、土のう袋の端切れがしっかり巻きついている。
撤去後、再び機関を始動
14:30 香川県仁尾町仁尾マリーナに到着
剣先イカ干物完成!
ウマすぎ!!無事到着に乾杯!
潮流ほぼ最強6ktで、中水道を通過
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14:30 香川県仁尾町仁尾マリーナに到着
剣先イカ干物完成!
ウマすぎ!!無事到着に乾杯!
潮流ほぼ最強6ktで、中水道を通過
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町内の銭湯に行く。 今頃になってカンカン照り 銭湯まで遠い…。
帰りにスーパーで野菜を買って艇に帰る。
艇に入ると、多数のハエが入り込んで来る。 電子蚊取りでは落ちないみたい… 試しに台所用のアルコール除菌スプレーで応戦するも効果ナシとりあえず、我慢して今夜の夕食の焼肉の準備をする。
バーベキューコンロは、雑誌で通販しているスタンションに取り付けるタイプの炭コンロ、火起しツールを持ってこなかったので、着火に時間がかかり、1時間後、ようやく焼肉スタート。
陸電がよく落ちる… ここのマリーナの陸電は全ての桟橋合計で60Aとかなりショボイ、陸電ポストには、30Aのブレーカーが付いているが、他にステイしている船はなさそうなので、しばらく再投入をしていると落ちなくなった。 feast2のACシステムは、陸電を4kwのインバーターのAC入力に接続してあり、バッテリーへ充電もしながら船内のACパワーも供給し、陸電が切れてもインバーター運転でACパワーを確保できる。 最初は、バッテリーへの充電量が多くて30Aのブレーカーが落ちてしまったようだ。 消費電力が安定したところで、試しにサロン側のエアコンを運転してみる。 消費電流20A、落ちないで連続運転できそうだ。
入り口のドアを閉鎖して、船内に入り込んだハエをハエタタキでやっつける。それにしても半端な数じゃない、約30分 数十匹を駆除したころにはエアコンが効いてきた。 湿度も下がってサラサラ快適!
DVDタイム
就寝
夜半より一時雨
寒くなったのでエアコンOFF
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8月17日
06:00 起床 晴れ、風なし
07:00 ’I’オーナーと西田さんが、同窓会を終えて仁尾マリーナ着
07:30 仁尾マリーナ出港
09:00 備讃瀬戸南航路
12:21 宇野沖通過
14:09 牛窓港草木造船到着
船内清掃、片付け、経費清算後、解散
お疲れ様でした。
写真 西田氏、三宅氏 文章 武田 電子海図ソフトウェア アルファマップ2
海上保安庁刊行の電子海図を参考にしました。 画像イメージの電子海図を航海に使用してはいけません。
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